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。○水月の小唄○。
since:2006.01.01
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「名前を言って」
登場人物(二人)
会長:高校一年生  以後、会長(台詞数28)
副会長(ユイ):高校二年生  以後、副(台詞数28)
合計台詞数56


  1.  副「殿下、ここは私が。殿下は先にお進みください!」

  2. 会長「そんな事出来る訳ないじゃないですか! いくら騎士だからと言って、この数を一人でなんて!」

  3.  副「殿下、あなた様には果たすべき約束があるのでしょう? そのためには迷いなさるな。私一人のことなど気にすることなく、先をお急ぎください」

  4. 会長「違う、違うよ! 僕が目指すのは……僕の国には、君も必要不可欠なんだ! また三人でっ……三人がいいんだっ!」

  5.  副「彼のものもまた殿下の下にまいりましょう。私もここをさっさと片付けて、殿下の下にまいります。ですから、ここはお任せください。私を信じて」

  6. 会長「きっと、きっとだよ!」

  7.  副「はい、この剣にかけまして」


  8. (数秒の間)


  9. 会長「って、ちょっと待ってーーー」

  10.  副「はい?」

  11. 会長「なんでそこで手にキスするの!? そんなの台本に書いてなかったよね?」

  12.  副「あら、アドリブは必要でしょう? それにこれのほうが盛り上がりますよ? きっと」

  13. 会長「盛り上がらなくていいよ。適当にやって、適当に流せば! 強制参加で仕方なくやっている出し物だってみんな分かっているんだから、誰も生徒会に期待なんてしてないって」

  14.  副「おや、会長はご存じないのですか?」

  15. 会長「何を?」

  16.  副「文化祭で一番注目している演目は何かというアンケートを新聞部が行ったのですが」

  17. 会長「もしかして……」

  18.  副「ええ、そのもしかして、なのですよ。めでたく生徒会による演劇『君のための青い空・赤い大地』が一位になりました。これは頑張らないといけませんねぇ。そう思いませんか、会長も」

  19. 会長「いやいや、全然……ってかなんで!? 確か去年も一昨年もその前の年もずーっと歌って踊ってイリュージョンもしちゃう科学部の発表が前調査と後日調査の一位だったよね? なんで今年は生徒会なのさ!? おかしいだろ」

  20.  副「だって、今回は会長がいらっしゃるじゃないですか。それに滝田副会長もいらっしゃるし。私もいます。今までの影でこそこそ裏方作業の生徒会とは違うのです。我々の存在を全校生徒に知らしめることは、先の選挙と就任式で十分ですから、今回はさらなるイメージアップをはかります。それと文化祭をスムーズに進めたという実績も」

  21. 会長「分かった、分かったよ。やっぱり会長なんてやるんじゃなかった」

  22.  副「自己推薦での立候補だと聞いておりますが」

  23. 会長「うん、そうだよ、自分でやるって言ったよ。けどね、それは他に立候補する人が奴一人だって聞いたからだよ。あんな筋肉馬鹿が生徒会長になったら、運動部ばかりがひいきされるし、無駄に行事増やされそうだし。聞いた? 奴の演説。体育祭だけじゃ飽き足らず、球技大会にマラソン大会、水泳大会に遠足登山。やってられないよー」

  24.  副「つまり会長は運動が嫌いと」

  25. 会長「大っ嫌いだよ! 副会長は運動好きなの?」

  26.  副「副会長ではなく、ユイです。それでは滝田副会長と見分け付きません。副会長と呼びたいのなら、彼に対してお好きなだけ言ってください。ちなみに、私も運動はそれほど好きでも得意でもありませんよ」

  27. 会長「だよねー。みんな嫌いなんだよ。だから僕が選ばれた。そうじゃなきゃ、一年である僕を会長になんてさせないよ。……それにしても滝田先輩遅いねー」

  28.  副「滝田副会長は、先輩ですか」

  29. 会長「ん? 何か言った?」

  30.  副「いえ、滝田副会長は所属している剣道部の手伝いをしてから来ると言っていたじゃないですか」

  31. 会長「あー、他に部活やっている人は大変だねぇ。書記の、あー、南さん? 彼女も美術部の体育館の外壁に貼り付ける馬鹿でかい絵の手伝いだっけ? 会計の花森さんは文芸部の提出がどうとか言っていたし。役者が揃わないんじゃ練習は無理じゃない? いくら音響や照明、エキストラを演劇部が手伝ってくれるからって、さ」

  32.  副「私以外はちゃんと名前なんですね」

  33. 会長「え? 何?」

  34.  副「いえ、なんでもありません。みなさん会長と違って覚えが早いので問題ないでしょう。問題は、会長と絡みが多い、私と滝田副会長だけです。特に会長と滝田副会長のシーンは女生徒から期待されていますから、出来れば念入りにやりたいところなんですけどね」

  35. 会長「何か馬鹿にされた気がするけど……まぁいいや。でもなんで滝田先輩と僕のシーンなのさ。男二人ってむさ苦しいだけじゃないか。女の子が沢山いるシーンのほうが華があって盛り上がるじゃないのかな?」

  36.  副「会長は知らないのですね?」

  37. 会長「何を?」

  38.  副「会長が会長になれたのは、実は対立立候補の問題だけでなく、滝田副会長も絡んでいるんですよ?」

  39. 会長「滝田先輩が何かしたの?」

  40.  副「何かしたの、じゃなく……よーく考えてみてください。対立立候補の彼と、滝田副会長が並んでいるのを」

  41. 会長「あーーー、むさ苦しい。気持ち悪い。てか、滝田先輩が格好良すぎるから、奴が余計むさ苦しい」

  42.  副「でしょう。では、会長と滝田副会長では?」

  43. 会長「んー。普通に先輩と後輩っぽいよね。滝田先輩の有能さが引き立つ感じ」

  44.  副「(ため息)」

  45. 会長「ん? 何? 僕何か変なこと言った?」

  46.  副「いえ、とても健全な想像で安心致しました。でももう少し会長っぽくなさってくださいね。いくら我々がフォローしても、限界というものがありますから」

  47. 会長「んー、副会長さんはさー」

  48.  副「副会長ではなくユイです」

  49. 会長「そうそうユイ先輩もさー、いつになったら僕のこと名前で呼んでくれるのかな?」

  50.  副「え?」

  51. 会長「これでも僕は生徒会長なんだよ。やれば出来るんだよ、僕って。あまり年下だからって舐めないで欲しいなぁ。ねぇ、ユ・イ」

  52.  副「……」

    SE(足音)

  53.  副「あ、滝田副会長がいらしたみたいですよ」

  54. 会長「思ったより早かったかな。てか、走ってこなくていいのに」

  55.  副「そうですね。副会長自ら風紀を乱す行為は感心しませんね。とは言え、今はどこの部も気にせず廊下を走り回ってますが」

  56. 会長「もっとゆっくりすればいいのに」

  57.  副「時間は待ってくれませんよ。さぁ、滝田副会長が到着しだい、練習を再開しますよ」

  58. 会長「へ~い」

もしこの台本を使いたいという方がいましたら、どうぞお使いください。
ただしその際には、リンク・配布元の記載をお願いいたします。
再配布は禁止です。
一人称・名前・語尾・性別などはご自由に変えてくださって結構です。
使用報告は任意です。
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